今日も午後はT・ジョイSEIBU大泉に映画を見に行きました。今日観た映画は、『月の満ち欠け』です。
生まれ変わりをテーマにした映画で、観ていて人間の数奇な運命や、命のめぐり合わせの不思議さに、魂を奪われた感じです。
きっと感動して大泣きするかと思ったのですが、意外にも結構腑に落ちた作りだったので、大泣きはしなかったです。それでも、しょっちゅう泣いていましたが。
ストーリー以外に、一番目を奪われたのは、80年代の高田馬場周辺の映像です。大学の傍の早稲田松竹や駅前の風景。
高校時代から私立高校だったので、高田馬場駅は、浪人時代も含めて10年間は必ず通った駅でした。
最近新宿で仕事をしていて、午後、半休を取って高田馬場から早稲田に向かって、その界隈を歩きたいと思っていた矢先に、この映画を観て、学生の頃を強烈に思い出しました。
私が大学に入ったのは、昭和55年、まさにこの映画で扱われた時代に合致しています。映像に出てくる中古のレコード店や映像ショップ。
よく見に行っては、バイトで稼いだ資金で、いろいろな中古レコードやビデオを買い求めた記憶があります。
この映画と同じように、出会った彼女との思い出の場所でもあります。
私は、家がそれほど豊かではありませんでしたので、大学を出てからは大手企業に就職して、経済的にも楽な暮らしをしたいと思っていました。
学生時代はサークル活動やアルバイトもそれほどせず、勉強はしっかりしていたと思います。成績はほとんど優で、3学年時には学費を1年間免除になっています。
彼女は、大学の友人の妹で、皇室の方も通う大学の短大に通っていました。高田の馬場で会っては、ボーリングや卓球などに興じて、就職が決まった時には、婚約までしていたと思います。
結婚前後の頃の写真
私が就職してからは、最初の赴任先が群馬県だったこともあり、あまり会えなくなり、自然と別れる形になってしまいました。
2年後私は今の奥さんと結構し、名古屋に赴任するのですが、数年後お墓に骨が散らばっている夢を見た翌日、彼女の兄から電話がかかってきて、彼女が交通事故で無くなったことを知らされます。
その後、社宅で先輩の奥さんが彼女に顔や仕草がよく似ていたことなど、不思議な経験を沢山、今までの人生ではしてきたように思います。
話はそれましたが、この映画の話に戻ります。「生まれ変わり」、私はあるような気がしてなりません。でも、生まれ変わったことを覚えている人は少ないのだと思います。
以前、死後、あの世で、生まれ変わる前に忘却の水を飲まされ、自分自身の記憶がなくなるので、みんな思い思いの選択をして、いろいろな動物に生まれ変わっていく。
そんな話でしたが、もう何十年も前に読んだ本か雑誌からの情報かもしれません。人間に生まれ変わっていく人は、よほどの強い思いがない限り、少ないのかもしれませんね。
私もそんなに強い生まれ変わり願望はないかもしれません。樹木にも感情や記憶があるとしたら、樹木に生まれ変わり、世界の移ろいゆくさまを見届けたい気もします。
母はまだ健在ですが、生まれ変わったら星になりなりたい。と良く言っていました。
人に生まれ変わりたいという人は、最近はどれくらいいるでしょうか。今現在も理不尽に災害や事故、戦争で死んでいく方は非常に多いと思います。
もちろん不治の病もあるでしょう。生まれ変わりは、思い半ばで死んでしまった方の未練が、また人に生まれ変わりたい、会いたかった人に会いたいと思うときに実現するのかもしれません。
さて、この映画を観て、過去の高田馬場~早稲田界隈を思い出すとともに、過ぎ去った決して戻って来ない、懐かしい過去に戻ってみたい衝動にかられました。
若松町に親戚もいましたし、大学時代の友達にも久しぶりに会ってみたくなりました。
歳を取ると、過去お世話になった方や親戚がどんどん亡くなっていきます。身近な人が次第に懐かしい人へと変わっていくとき、死の恐怖や人生の空しさ、自分が出来ることの限界を強く感じ、孤独感にも苛まれます。
そんなとき、理屈では否定しながらも、このような映画に接すると、なんとはなしに、死の恐怖や得体のしれない不安に対する、微かな答えが出ているような気がします。
自分なりに腑に落ちた、とても後味のよい映画だと思います。人の世は、蓋し、不思議な事が多いのだと思いたいのです。
さて、そんな思いを引きずりながら歩いて、映画館から大泉学園駅の傍のBARレモン・ハートに伺いました。
ウイスキーはレモン・ハートのオリジナルボトルです。千葉のバーの周年記念に出されたボトルのようです。
後日レビューを書きますが、とても美味しゅうございました。お通しのチョコレートは包んでいただき、奥様のお土産にしました。
ブログの最後に、仕事がらみで思い出したことを1つ。グループ会社の研究所に出向していた時に、ライフデザインセミナーの講師をしていたのですが、そのセミナーの1コマに「夫婦の理解度チェック」なるものがありました。
質問の1つに『生まれ変わっても今の配偶者と結婚するか』という質問があったのです。
私はとても無神経な質問だと思いました。すぐにやめさせたのですが、配偶者も自分を選んでくれると思っていた方ほど、相手が選んでくれなかった場合、かなりショックだったようです。
熱愛で結婚した夫婦ほど、相手が選んでくれなかった場合、ショックは大きかったようです。私は、自分が生まれ変わって、選んでくれる人が1人でもいれば、とても嬉しいですね。できればその人と結ばれたいと思います。
それが今の奥さんならとても嬉しいですが、選んでくれなくても、やむを得ないと思っています。悲しいけど、相手の気持ちに適うことができなかったのですから、仕方がないと思います。
そのような時は、気持ちよくお互い、新たな出会いを探しに行くのが良いのではないでしょうか?
恐らく、多くの方は、新たな出会いを探しているのが、現世なのかもしれませんね。
今日もまた、昨日以上にしょうもない話題に終始しました。それでも、今日の映画『月の満ち欠け』は、心に残る映画だと思います。
貼りました映画のリンクを観て驚いたのですが、昔の高田馬場が良く表現されているなと思ったら、セットを丸ごと作っていたそうです。
ちょっしたタイムトラベル気分も味わうことができました。それでは今日はこの辺で失礼いたします。