3/5の日曜日は、酒育の会のイベントに参加しました。
特別セミナー2023として、「秩父蒸溜所の現在・過去・未来」というテーマで行われました。
快進撃を続けているベンチャーウイスキー・秩父蒸溜所の現在に至る軌跡や未来像について、同蒸留所のグローバル・ブランド・アンバサダーである吉川由美さんにお話を伺いました。
過去東京マラソンにも2回ほど参加経験のある吉川さんは、非常に活動的な方で、様々な経歴を経て、秩父蒸留所にお勤めになられました。
吉川さんについては、次のニュースサイトに詳しくまとめらていますので、ご参照願います。
また、テイスティングしたウイスキーは、
秩父 THE FIRST 2008-2011
秩父 THE FIRST TEN 10yo Bottled2020
秩父 THE PEATED 2022の3本になります。
テイスティング結果については、またの機会にお伝えしたいと思います。
※酒育の会、セミナー紹介画像より
この中で、飲んだことがあるのは、『秩父 THE FIRST TEN 10yo Bottled2020』だけです。
さて、最初のセミナーについてですが、最初にイチローズモルトを生み出す、秩父蒸留所の母体企業である株式会社ベンチャーウイスキーの歴史を振り返りました。
私もざっくりとしか、知りませんでしたが、肥土氏の実家が造り酒屋さんだったことや、今も少しですが生産をされていることなど、いろいろなことを教えていただきました。
寒暖差の激しい秩父の地の特色は、特に生産に重要な役割を果たしているように思えました。
肥土氏の祖父やお父様のウイスキー造りへの思いなどがあり、現在の秩父蒸留所があることを知りました。
あらためて肥土氏の現在取り組んでいる事への理解も深まり、非常に有意義なセミナーだっと思います。
単にウイスキーを試飲するだけでなく、作られたウイスキーの背景を知ることは、非常にそのウイスキーを愉しむための礎になった気がします。
特に、肥土氏がサントリーを辞めて本家に戻ってきた当時は、ウイスキーを巡る環境も非常に厳しいものがあったそうです。
ウイスキーの国内消費は、サントリーオールドがバカ売れして時代とは異なり、まさにウイスキー冬の時代といってもいい時代でした。
実家の羽生蒸留所は閉鎖、営業譲渡先には個性の強い原酒は販売が難しいということで、引き取りを拒否され、廃棄するよう通告されます。
結局は、その原酒は肥土氏に引き取られ、後熟などの工夫を重ねれられた結果、トランプシリーズなどの名作を世に送り出す結果となったことは、なんとも言えない運命のめぐりあわせを感じますね。
このような状況下でありながらも、肥土氏がウイスキーの蒸留所を再度、秩父で再開するよになった契機としては、肥土氏のスタンス『現場・現物・現時点』の元となる貴重な経験が土台になっていると思います。
既存の常識や大手の広告戦略が常に正しいのではなく、実際のウイスキーの商品は、現場のバーやバーに来る消費者の嗜好によって支えられていることが経験として感じ取れたことが大きかったようです。
バーに行って、アベラワーのようなスコットランドの小さな蒸留所のウイスキーでも、日本で消費者から喜ばれれていることなど、様々な生きた情報を数々のヒアリングを通して確認できたことが力になったようです。
大規模蒸留所による生産効率の高いウイスキー作りは、ウイスキーのクオリティを安定させることにつながります。
しかし、小さな蒸留所にも、目が届く範囲できちんとこだわって生産すれば、いいモノづくりができるという自信・手ごたえにつながったのではないかと思います。
快進撃を続けるベンチャーウイスキー・秩父蒸溜所ですが、第2蒸留所がもうじき3年ものを出荷できる時期にさしかかります。
肥土氏は、3年ものを出す予定はないようですが、第2蒸留所は、規模も大きく、さまざまな取り組みが実施され、期待もされています。
特に題2蒸留所の大きな特徴としては、蒸留が間接加熱から直接加熱になっているとろです。
直接加熱は、温度のコントルールが難しく、タイミングを逸すると雑味(好ましくない香りなど)まで原酒に混ざってしまうリスクがあり大変なのですが、あえて直火で得られる風味を追求する姿勢も好感が持てました。
その他、樽づくりまで、原木を仕入れて行っている事、ダンネージ方式の樽の貯蔵方式など、ウイスキーそのものに対する根本的なこだわりが伺えます。
名品が多い『スコッチの1950年代~1960年の味わい』を再現するためにも、『ウイスキー造りの原点回帰』への執着がとっても素晴らしい取り組みのように思えました。
秩父蒸留所の前は、何回か通りましたが、業界の人しか見学できないようでした。できれば、いつか第2蒸留所も含めて見学し、帰り道には近くのバーでたっぷりとイチローズモルトを楽しみたいと思います。
現在の商品ラインナップです。まだ飲んだことのない商品もあります。これからも、注目して様々な商品を味わっていきたいですね。
なんとなく、イチローズモルトはボトルで買えなくても、バーに行って飲んでみるのも、すてきな味わい方なのではないかと思います。
肥土さんが、お世話になった全国のバーの方々への恩返し、そんな思いもあるように思えます。
そして少しずつでも、色々な種類のイチローズモルトを少しでも多くの人が楽しんで飲めることが、楽しいウイスキーライフの共有(わかちあい)のように思えました。
たまに目白の田中屋さんで、イチローズモルトが買える時があります。転売屋さんが来るので、店長も困っていましたが、私も買ったボトルがある内は、買わないようにしています。少しでも多くの人が飲んでくれればと思っています。
最後に、前回の輿水氏のセミナーもそうですが、今回のセミナーも、自分が偏った物の見方をしていたことに気づくことができました。自分にとって大きな収穫だったと思います。
私は酒育の会は、無料会員でしかありませんが、ウイスキーの学びの場として貴重な存在になっています。
酒育の会にはこのような貴重な機会を提供していただき心から感謝したいと思います。
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