ウィスキー名:ローズバンク1992 14年 宇都宮モルト
容量、度数:20㎖、55.3%
販売者:パークアベニュー
今日は、ローズバンク1992 14年 宇都宮モルト をご紹介いたします。パークアベニューさんの量り売りです。
宇都宮モルトにつきましては、つい先日特別編でご紹介いたしました。在庫が無くなる前に、注文することができてほっとしています。
【VOL.1 ROSEBANK 1992】
ローズバンク1992 14年熟成 55.3% cask ホグスヘッド/ペドロヒメネス
(輸入業者ジャパンインポートシステム)
さて、このローズバンク蒸留所は、1993年5月に閉鎖されてしまい、このボトルも今となっては手に入れることが出来ない幻のウィスキーということになります。ローランドのウィスキーで伝統的な3回蒸留が特徴のウィスキーですが、詳しくウィスキーマガジン社に蒸留所復興に向けての動きがまとめられています。
以下一部抜粋
『文:ステファン・ヴァン・エイケン
今はなき蒸溜所のウイスキーを現代に蘇らせる。そんなムーブメントがスコットランド中で起きているようだ。例えば、アイラ島のポートエレン。ハイランドのブローラ。そしてローランドならローズバンクだ。これらの蒸溜所が生産するウイスキーの品質は、すでに議論の余地がないほど素晴らしい。
だがウイスキーの復活は、蒸溜所そのものの再建とは違う。建物を造って設備を整えることはできるが、フレーバーの特性は完全に復元できるものなのだろうか。そんなことを考えていたら、ちょうど話題の新商品が発売された。「チャプター1(第1章)」と第されたローズバンク30年。「ローランドモルトのキング」と呼ばれた銘酒の復活に注目してみよう。
ローズバンク蒸溜所の歴史は、1840年にまで遡る。地元のワイン商だったジェームズ・ランキンが、フォース・クライド運河のそばにあったキャメロン蒸溜所のモルティング施設を買収したのが始まりである。1790年に開通したこの運河は、スコットランドの西岸と東岸をつないでいる。2大都市であるエディンバラとグラスゴーを行き交う水路も、この運河で結ばれているのだ。このような場所を選ぶのは、ビジネスの理にかなっている。蒸溜所名は、フォルカークの西に広がる原っぱの名前からとった。おそらく運河の堤(バンク)に、野生のバラがたくさん咲いていたので「ローズバンク」と呼ばれるようになったのだろう。
ローズバンク蒸溜所は、20世紀に大きな名声を誇った。ブレンダーたちがローズバンクのウイスキーをこぞって欲しがったのは、ブレンダー用語でいう「トップドレッシング」つまり華やかなトップノートを加えることができるからだ。だがウイスキー不況の1990年代に、ユナイテッド・ディスティラーズ(現ディアジオ)が蒸溜所の閉鎖を決断した。品質が不十分だったからではない。排水処理設備を改修するコストがかかりすぎ、陸路でのアクセスにも難があることから、やむなく下した経営上の判断である。この時点で、ローズバンクもまた歴史上の蒸溜所に仲間入りしたはずだった。
蒸溜所の建物は1993年から放棄され、2002年にブリティッシュ・ウォーターウェイズ(運河や河川の運行を管理する国営企業)に売却された。建物は荒廃し、2008年のクリスマスから翌年の正月にかけて、オリジナルのポットスチルやマッシュタンが窃盗団によって盗み出された。再興の望みは、これで完全に潰えたように思えた。
だが詩人アレキサンダー・ポープの「希望は人間の胸に永遠に湧きでる」という言葉通り、2017年10月にイアン・マクロード・ディスティラーズがローズバンク蒸溜所の復活に乗り出した。蒸溜所の建物を買い取り、別途でローズバンクのブランド使用権も取得。だが彼らが考えている「復活」は、単なるマーケティングの流行り言葉ではなかった。それはローズバンクが生産していたスピリッツを、そっくりそのままつくり直そうという挑戦だったのである。
そんな事業の中心にいたのが、イアン・マクロード・ディスティラーズの蒸溜総括部長を務めるロビー・ヒューズである。かつてローズバンクで働いた人たちは、もう近所にいない。レシピもなければ、生産工程の詳細な記録もない。ローズバンクの復活が困難であることはロビーにもわかっていた。
「難問だとは承知していましたが、なんとか成し遂げたかったんです。旧オーナーにかけあって、ニューメイクスピリッツがないか探し回りました。でもスピリッツは見つからず。具体的なレシピの記録もないので、白紙の本を読みながら計画を立てるようなものです。それでもローズバンクの名声を頼りに、希望を持ってプロジェクトをスタートしました」』
さて、早速いただいた感想ですが、
<色合い>
やや濃い目の琥珀色
<香り>
バニラっぽいが次第に甘い香りが支配的になります。最後は、干しぶどうのような香りに。
<味わい>
最初の一口から、複雑な味わい。予想外に甘さはほどほどでスパイシー。少し青臭く滑らかに喉を通っていきます。渋柿をグミかヌガーで包むとこんな味わいになるかもと思えるぐらいユニークな味わいです。あまりにも個性的ですが、後を引く美味しさだと思います。
ぶどうを食べ過ぎると、最後にこのような少し青臭く酸味の利いた後味ににんるときがありますが、例えるとそんな感じです。それにしても病みつきになる味わいです。飲み終わると唾液が出てきて、次の一口を体が要求します。習慣性がありそうで怖い味わいです。
宇都宮モルト、一本目からやってくれます!残り8本、何が出てくるかとても楽しみです。