本紹介シリーズ10

今日はちょっと変わった本をご紹介します。「王の夢・ルードヴィッヒⅡ世」(小学館)です。中古で何年も前に入手したもので、そんなに高い価格ではなかったと思います。撮影した篠山氏が知人に送ったものが神保町の本屋さんに出たものと思われます。最初のページの近くに、篠山氏のサインが入っています。多少黄ばんでおり、状態はそんなに良くはありませんが、内容はそこそこ楽しめるのではないかと思います。

何十年も前に知人に頼まれた本、確か「ルードヴィッヒの城」を探していたのですが、見つからずこの本がたまたま古本市に出ていたので、買ったのではないかと思います。

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カラー写真がたくさん使われており、とても豪華な仕様になっています。発行されたのは、昭和58年で、私が会社に入る2年前です。もう40年も前の本という事になります。今でもオークションでたまに目にすることがあります。状態が良くないので、私に本の捜索依頼をした人が喜んでいただけるか分かりませんが、もし受け取っていただけるのならうれしい気がします。

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私は、今まで美の巨人などのテレビ番組でノイシュヴァンシュタイン城1つがルードビッヒⅡ世の城だと思っていたのですが、他に2つもあるとは思ってもいませんでした。ノイシュヴァンシュタイン城は、大学3年の春休みにヨーロッパを貧乏旅行した際に見に行った記憶があります。テレビでは結構大きく写していますが、意外とこじんまりしたお城だった気がします。

本の帯には、ノイシュヴァンシュタイン城以外のお城も記されています。恐らく本文中にはさらに詳しく書かれていると思います。私はざっくりと写真をみたのと、ルードビッヒⅡ世の悲しい最後のくだりを読んだくらいです。あと音楽家のワーグナーとの関係も詳しく書いてありました。

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改めてこの本を手にして、時間の流れの無常さを痛感しています。40年近く前とはいえ、山の坂道を息を切らして登ったお城なのに、記憶からは完全に抜け落ちているのです。ウィーンの森に電車を乗り継いで行って森の中を散策したことも含め、ドイツ・オーストリアのあたりのことは、ほとんど覚えていないのです。

恐らくこの本を再び手にしなかったら、ヨーロッパを旅した思い出も、ほとんど振り返ることはなかったかもしれません。この本を自宅の押し入れの奥で見つけて、少しだけ40年近く前の思い出を掘り出すことが出来たかもしれません。その時の写真でも出てくれば少しは具体的な出来事も思い出すかもしれません。そのうち実家に帰った時に探してみることにします。

なお、本のカバーの状態も今ひとつでしたので、専用のブックカバーを急きょ作りました。良い出来ではありませんが、無いよりはましかもしれません。でも、カバーの右上に穴があいているのを見落としました。うう・・・。着物を解くときに気を付けないと、このような残念な事が往々にして起きてしまいます。許していただければと思います。
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本が大きかったので、反幅ギリギリの加工となりました。手織り真綿紬の生地で表も裏も作りましたので、手触りは最高だと思います。私が過去作ったブックカバーでは最大級のものとなりました。

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もう少し、明るい生地だと良かったのですが。とりあえず応急用として考えていただければ幸いです。