心を紡ぐ

今日は、昨日の続きで、過去作ったものを少しご覧いただきながら、「気持ちが伝わること=心を紡ぐこと」の大切さなどを中心にお伝えしたいと思います。

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私が過去作った物の中で、一番大切にしているのが、このウリボウ大発生の生地で作った枕カバーです。

瓜坊の中には、模様のないものや親いのししなども混ざっているのですが、大半は瓜坊が、大発生して走りまわっているのです。

有名な生地メーカーのガーゼの生地なのですが、枕カバーや巾着を作って、あっという間に無くなってしまいました。

この枕カバー、洗濯した奥さんから、『生地も弱ってきているし、そろそろ捨てたら』、と言われていますが、中々捨てられません。

古い紬もそうですが、枕カバーで使い切ったら、今度は巾着にして、それも終わったら最後はコースターやティッシュケースにするなど、最後の最後まで、好きな生地は徹底的に使うのが私の流儀です

似たようなことを子供の寝巻でもやっています。子供が小学生のころ着ていた寝巻がとても気に入っていて、生地の主だったところを取っておいて、ブックカバーを作ったりしました。残りの生地も大切に保管しています。親バカですかね。

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実際、こんなに使い込んだ枕カバーや寝巻を加工して、何かを作ったとしても、実際に使っていた関係者でないと、あまりピンとこないかもしれません。

実際、これらのものは、私が実際に、絹や綿から紡いだものではないですが、手を加えて加工したことによって、私の気持ちなり、心を紡いだものだと思っています。

上の写真で、子供が大きく育った椎茸を見入っている写真がありますが、その後振り返って喜んでいる写真もあります。

この生地で作ったブックカバーを見ると、その写真を実際に見なくても、その時の状況や子供の屈託のない笑顔が思い出されるのです。

 

同様に瓜坊の枕カバーも、単身赴任で寂しかった私をずっと4年間癒してくれた、戦友のような存在でした。あまりサイズもあってませんが、枕がいたんで替えてもカバーはそのまま使い続けたので、サイズが合っていないのだと思います。

最後は額にでも入れて飾ってみたいくらい、愛着のある生地だと思います。折れそうになる私の心を励まし、冷静にさせ、やはり心を紡いでくれたのではないかと思います

 

あと、思い出深い巾着に、カラフルな小紋で作った巾着があります。基本的には私のコレクションは紬がベースなのですが、きれいに精錬したした糸から作った小紋も、絹織物の美しさが感じれて、小物を作るのにはうってつけの存在だと思っています。

もともと紬は精錬するための生糸とならないような「クズ繭」から作った着物で、生糸の不純物などを取り除いて、精錬して作った小紋や訪問着の光沢のある風合いとはまったく違った、素朴な風合いが魅力だと言えます。

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上の小紋は光沢もあり、華やかな色彩で、後染めの小紋ならではの、美しさが出ていると思います。

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どっちが好きかなどは、野暮の極みで、ウイスキーの好みがアイラモルトやスペイサイドのモルトなどに様々に分かれるのと同じで、個人の自由で、感性にしたがって好きなものを選べばいいだけなのです。

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この生地で作った巾着などは、仕事でお世話になった社内外の事務方の女性にさし上げたりして、結構重宝した記憶があります。

とても柔らかい生地で加工は大変だったのですが、気持ちを込めて1つ1つ丁寧に作ったつもりです

どれだけ私の心が紡がれているか、実際のところは判りませんが、自分なりに一生懸命に作ったことだけは確かです。

こうして出てきた巾着などを見ると、作った当時の仕事の状況や社内外とのやり取りが思い出されて、懐かしい思いがあります。

 

今日もいろいろな、ことを思い出しながら、過去私が作ったものをご紹介いたしました。そんなことをことを考えながら、飲むウイスキーは、本坊酒造のシングルモルト駒ヶ岳津貫エージングです。

テレビで本坊酒造紹介の一時間番組を見て、駒ヶ岳のウイスキーを思い出したので、残り少ないこのボトルを引っ張り出してきて、まったりしながら飲んでいます。

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このボトルは、2016年にマルス信州蒸留所で蒸留したモルト原酒を、本土最南端のウイスキー蒸留所である、マルス津貫蒸留所の石蔵で熟成させたシングルモルトウイスキーです。

力強くしっかりとした味わいのなかにオレンジピールをはじめ複雑な味わいが感じられる美味しいウイスキーに仕上がっていると思います。

木の樽の風味とモルトのうま味が混然と溶けあうような、とても3年ものとは思えないしっかりした味わいで、とても美味しく感じます。

本来なら3年では到達しえない領域まで、進んでいる気がします。南の地での熟成は効率的なのかもしれませんね。残り少しになってきたので、大切に飲んでいます。

先日のテレビ番組・ウイスキぺディアでは、マルスウイスキーに携わった方々の思いが紹介されていました。

 

マルス信州蒸留所は、鹿児島の老舗焼酎メーカーである本坊酒造が1985年に長野県の上伊那郡に開設した蒸留所になります。

本坊酒造といえば、マッサンこと竹鶴政孝氏とも非常に関係があり、古くから日本のウィスキー誕生に寄与した会社でもあります。詳しくは、同社のホームページをご参照願います。とても分かりやすくまとめれれています。

https://www.hombo.co.jp/marswhisky/mars_whisky.webm 

本坊酒造関係者の気持ちのこもったウイスキーが連綿とした時の流れのなかで、生み出され、今私の目の前にあるのだと思うと、感無量です。

ウイスキー造りにおいても、「心を紡ぐ」ことの大切さを思い知らされるものがあります。

 

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