ウィスキー(196)トマーティン5年 特級表示

今日は、トマーティンの5年ものです。トマーティンは以前このブログで12年のシングルモルトをご紹介いたしましたが、今回はブレンデッドの方になります。購入価格は、1,500円もしなかったと思います。

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以前レビューしたシングルモルトの12年は、18年ほどのコクや風味は感じませんでしたが、それでもモルトウィスキーの美味しさは十分感じることができました。今回、改めてブレンデッドの5年ものと較べてみると、モルティな味わいとスモーキーな風味がよくマッチした美味しいウィスキーだと改めて感じることが出来ます。


トーマーティン蒸留所のウィスキーは、ほとんがブレンデッド用に供給され、従来はシングルモルトとしてあまり世に出ることはなかったようです。しかし、12年物以外に、18年や25年が市場に投入されると、次第に種類も増え、現在は15年ものや度数が48%のレガシーなども発売されています。

ブレンデッドは、有名なBIG・Tやアンティクァリーのモルト原酒として供給されています。なお、BIG・TのTはトマーティンのTを表しています。

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トマーティン蒸留所は、1970年代の急激な設備投資が災いし、1985年には、財産管理会社に転落し廃業の危機を迎えます。この時、日本の大倉商事と宝酒造が共同で同社を購入(その後大倉商事が丸紅の傘下に入り、宝酒造82.5%、丸紅12.5%、国分5%)、日本企業出資のスコッチ蒸留所の第1号となったそうです。ちなみに、第2号はニッカウィスキーによるベンネビス蒸留所です。

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裏のラベルには、トマーティン蒸留所の説明が易しく記されています。

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シングルモルトの12年物を飲んだ後での試飲で、かつブレンデッドということもあり、全く期待はしていなかったのですが、予想外のインパクトでした。まずグラスに注いだときの香りが、モルティで良い香りなのです。シングルモルトのトマーティンより、木の樽の風味や森林のような澄んだ香りがつよく感じられます。

味わいも5年もののブレンデッドとは思えないくらい、パンチの利いた甘みとスパイシーさが何とも言えません。正直、おいしいです。特級表示のウィスキーですから、日本の資本参加に入ってから、そう時間が経っていない時期だったと思われます。原酒も良いものが、使われていた可能性があります。

グレーンウィスキーがこれ以上入ったらバランスが崩れる、ぎりぎりの割合でブレンドされているような気がします。ある意味、ブレンデッドウィスキーのお手本のような味わいだと思います。最近、安く買えたブレンデッドで美味しく飲めるものがあまりなかったので、大変得をしたような気持ちになれました。

トマーティン蒸留所の原酒を使ったブレンデッドに関しては、BIG・Tは飲んだことがありませんが、アンティクァリーは、飲んだことがあります。やはりバランスの取れた美味しさだっと思います。

これからも、トマーティン蒸留所のウィスキーは、シングルモルトでもブレンデッドでも、幅広く飲んで行きたたいと思います。