日曜日、今話題になっている映画『窓ぎわのトットちゃん』を観てきました。
観る前は、黒柳徹子さんの個性的な性格が前面出てくる強烈な映画だと思っていました。
結構、覚悟して見てきたのですが、観終わって、とても考えされられるものがあり、見て良かったと思います。
考えされたことは2点です。
【戦争について】
ゴジラ-1.0でも感じましたが、日本はほんとうに愚かな戦争をしたものだと思いました。
極端な反戦のメッセージがあるという訳ではないのですが、戦時中の子供達にとっては生きづらい時代背景があったこと。
友達のとの悲しい別れや、戦争の機運が、その当時の日本人の考え方を根底から塗りつぶしていったことが伺えました。
黒柳さんより4歳年上の父も、太平洋戦争については、この映画と同様、食べるものがなかった経験や軍国主義の愚かさを折に触れて未だに語り続けています。
それでも、今のロシアや中国、イスラエルの動きを見ると、軍国主義とまではいかなくても、力を誇示する一方的なやり方は、共存の道を放棄した侵略的な動きと言われても、仕方がないと思います。
せっかく国連のような組織を作っても、紛争の解決の手段で戦争がいまだに幅を利かせている事。
また、力を持たない国には、強国に対して、十分に対抗できる手立てがないような世界になっている、悲しい現実があるようにも思えます。
この映画を観て、二度と日本が愚かな戦争をしないこと、国民を虐げるような悲しい社会にしないことが大切だと痛感した次第です。
【教育の大切さ】
あまり触れると、ネタバレになりますので、サラッと触れますが、問題児とされていた黒柳さん(トットちゃん)は、トモエ学園に転入して、楽しい学校生活を送ることになります。
それでも、戦争で最後は学校の友達とも別れ別れになってしまいすが、トモエ学園の音楽を基調としたユニークな教育方針は、黒柳さんの個性を十分に引き出すことになったのだと思います。
トモエ学園の校長先生のような先生がもっともっとたくさん日本にいてくれたら、いじめや不登校などの問題もなくなるような気がします。
特に、子供たちの気持ちに寄り添った教育方針や個人の興味のあるものを中心に学ばせるやり方は、画一的な学校教育には欠けている、何か大切なものがあるように思えます。
かくいう私も、幼稚園では問題児で授業中でも虫取りに行ったり、先生の言うことをあまり聞かなかったようです。
小学校の先生の記憶はあまりないのですが、男の先生で、トモエ学園の校長先生のような方から、読書の楽しさを教えられたのをきっかけに、勉強にも興味が出てきたことを覚えています。
その時先生から勧められた、佐藤さとる氏の、『だれも知らない小さな国』は、いまだにたまに読みたくなる素敵な物語だと思います。
子供の時の学校での思い出は、クラスの勢力争いや陰湿ないじめが跋扈する世界だと、灰色の思い出しかない世界になってしまいます。
公式ホームページより
でも、この映画に出てくるトモエ学園のような学校生活が送れると、学校生活の思い出が子供時代の一番の宝ものになると思います。
また、それだけではなく、人のことを思いやることができるようなる大人になるための「大切な道しるべ」になるようにも思えます。教育の大切さをほんとうに痛感しました。
他にもいろいろ感じたこと、考えされたことがありましたが、自分の思い込みで映画を観る前に、原作の本でいなかったことを後悔しました。
恐る恐る見に行った映画でしたが、観に行ってとっても良かっですね。
多くの方に是非とも観に行っていただきたい、素晴らしい映画だと思います。