着物生地(8)巾着とその材料について

着物生地で一番多く作っているのが巾着袋です。作るきっかけになったは、碁石を入れえる袋を知人から作って欲しいと言われたことがきっかけです。

安く、毎回違う生地でと考えながら試行錯誤を重ねた結果、生地を専門店に買いに行くよりも着物をオークションで落札して、その着物を材料にして作った方が、安くて味のあるものができるという事が分かったからです。

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右側の黄土色のふっくらしている巾着が碁石袋です。
碁石は、碁盤と一緒に使うものですが、保管をする際に、碁笥(ごけ:木製の碁石入れ)に入れっぱなしにしておくと、碁石が変色したり、碁笥が傷むのを防止するために使われるものです。また、輸送する際の保護の役割もあります。本来の目的が終われば、日常使いの小物お入れの巾着に転用されたり、使い方は様々です。

たとえて言えば、左側のウィスキーの小瓶の横の「ロイヤルサルート」のオマケの巾着のようなものです。袋から陶器の瓶本体を出すと、飲み終わった陶器瓶の保管に使ったり、私のように落札したウィスキーの小瓶の保管用に使ったりもできるのです。

奥にあるものが普段使っている、結城紬と皮で作ったツートンの巾着です。巾着も底を付けたり、皮と組み合わせて作ると耐久力が上がり、見た目も使い勝手も良いものが出来ます。ただし、皮の部分は洗濯ができないので、生地の部分をなるべく汚さないように注意して使っています。

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壁に掛けているのが大きめの巾着と、表地も裏地も紬で作った巾着です。
どちらも、洗濯ものや汗を拭いたタオルを入れても、一緒に洗うことを前提に作っています。洗濯すると多少シワができますが、何度も洗濯すると、だんだんなじんできて自然なシワになり気にならなくなります。

これより大きいものを作って、ワイシャツをクリーニング店に持って行く際に入れたり、買い物用の袋代わりにすることもあります。意外と使えるものです。