いや~それにしても長い年月がかかりました。このトニックの瓶のようなボトル、最初はウイスキーとは思いませんでした。
オークションでは古いウイスキーのなかにたまに紛れていたり。あるいは単品出品されていると、安かったり高かったり。
毎回まちまちの値段で出品されていました。今まで多くのウイスキーブログも拝見しましたが、このトミントール グレンリベットの旧ボトルを3本飲み比べて取り上げているのは、私くらいではないかと自負しております。
恐らく、多少ウイスキーに造詣の深い方でも、よほどお年を召されていない限り、このトニックボトル、3本種類が存在しているなんて、ご存知の方は、少ないのではないでしょうか?(多少得意になっている私uribouでございます)
向かって左から年数表示なし、8年もの、12年物になります。このトミントール蒸留所は、蒸留所自体ができたのが1965年です。
私uribouが生まれてから数年たってから設立された蒸留所ですので、スコットランドの数ある蒸留所のなかでは、比較的歴史の浅い蒸留所なのであります。
ハイランド地方のかでも、スペイサイド地区のウイスキー激戦区。この蒸留所が生き残るためには、このボトルデザインのような奇抜なアイデアも必要だったのではないでしょうか?
さて、このトミントールグレンリベット(以下トミントールに省略)。オークションで安いウイスキーを買いあさっていたときも、なかなか買う機会がなくて、初めて手に入れたのは1年くらい前だったと思います。
そして、今年の2月に初めていただきました。得体のしれないボトルでしたので、お味は期待しなかったのですが、とてもおいしかったので、びっくりいたしました。
開封してみると、大きなプラスチックの蓋は、スクリュー式で、ねじればすぐウイスキーが注げる形態になっています。
プラスチックのキャップは、横に寝せられて保管され、原酒がプラスチックの蓋に浸る期間が長いと、香水のような甘ったるい香りが付いて、飲みづらくなる現象を引き起こします(俗にいうパフューム状態)。
今回、開封して飲んでいる3本のボトルは、幸いにもパフュームとは無縁の状態であったことは、とても有難い限りでした。
ここで、トミントール3本を改めてグラスに注いで飲み比べをします。グラスに注いで、色合いなどを比較すると、やはりNV(ノンビンテージ:年数表記の無い物)が一番色合いが薄い感じです。
向かって一番右の12年ものが、ウイスキーの色合いは一番濃い気がします。いずれにしても、カラメルで着色している可能性もありますから、なんとも言えないのですが。
さて、肝心のお味の方ですが、NVのボトルの新鮮でフレッシュな味わいがとても光ります。深みのある味わいではないですが、とてもいい意味で瑞々しい。
瓶詰めされてから40年以上の歳月が流れているにも関わらず、とても飲みやすいですね。しかもクリーミーで複雑な味わいも感じられて、現在シングルモルトのスコッチで、ここまでの味をNVで出せているボトルはそう多くはないと思います。
次に8年ですが、開封直後は多少ケミカルな味わいもあり、パフュームを危惧しましたが、開封して2日以上経つとケミカル感はまったく消え失せ、野太い麦の風味が印象的な味わいになっています。
余韻がかすかにクリーミーな味わいを感じますが、全体的な味わいは結構硬派な感じがします。甘めのウイスキーがお好きではない方などは、8年が良いかもしれませんね。
最後が、12年です。このボトルだけ750㎖ではなく1,000㎖になっています。たっぷり飲めるのがいいですね。
このボトルは1980年代後半から1990年代前半まで流通したボトルで、少なくてもトミントール旧ボトルのなかでは一番流通期間が長いボトルだと思います。
トミントールの旧ボトルを指す場合、この12年を多くの方は意識すると思います。
お味の方は軽くスッキリ。シェリー感も多少あり、とても飲みやすい感じがします。このボトル、オークションでは3,000円くらいで落札できる場合もありますが、とてもお値打ちです。
軽くて飲みやすくいてフルーティーかつ、クリーミーで旨い。オークションでのウイスキーの旧ボトルの買い付けはハズレも結構多いのですが、この12年のボトルは、当たりが多そうな気がします。
今回の3本、いずれも美味しかったのですが、すべてケースに入っていましたので、状態が良かったことも幸したのかもしれませんね。
ここで、私の子分のウリボウたちに好みを聞いてみたいと思います。よーいどんで、好きなボトルに集まってもらいました。
バランスの取れた12年の人気が意外に少なくNVや8年に票が集まったのは意外でした。いずれにしても、すべてのボトルが甲乙つけがたく、とてもおいしかったのは間違いないとこでございます。
オークションでウイスキーを買うことを否定されるかたもいらっしゃいます。確かに前の持ち主がどのように保管していたか分からない状態のものを買うことはリスクがあると思います。
それでも、実際に売買に携わっていない一般の消費者にとっては、オークションやメルカリなどのマーケットは、販売停止になっている旧ボトルのウイスキーを入手する数少ない機会であることには違いないと思います。
これからも試行錯誤は続くと思いますが、いろいろな状態のウイスキーをオークションかメルカリなどで入手して、飲んだ感想をお伝えしていきますので、今後ともよろしくお願いいたします。
本日はここまでお付き合いいただきありがとうございました。