私は趣味で下手な碁を打っていますが、以前は将棋の方が好きでテレビで良く将棋番組を見ていました。たまたまテレビで将棋を見るときには、真部一男が対局している場面によく出くわしました。
彼が映っている写真は着物姿の方が多いようです。手織りの真綿紬や絣模様の着物を着ている様です。きっと結城紬のような軽くて着心地の良い着物を着ているのではないかと想像したりしています。
彼は、着物の着こなしが美しいことで光っていただけでなく、ウィスキー党としても有名でした。いろいろな文献を見ると、飲んでいたウィスキーはシーバスリーガルが多かったようです。どのような飲み方をしていたが判りませんが、55歳の若さで肝臓がんで亡くなられたことから想像すると、ストレートで飲まれていたのかもしれません。
さて、私が何で棋士、真部一男に関心を持ったかというと、それは・・・高校の先輩だったからなのです。担任の先生だと思うのですが、「卒業を目前に学校を辞めてプロの将棋指しになったやつがいる。」「ある先生に学校で将棋を指しているところを注意されら、『俺は将棋を指すために生まれてきた』と言って次の日に退学届けを出して、それ以降学校には来なくなった」と言っていたことを鮮明に覚えていたからなのです。
テレビで将棋を指している、この格好いい棋士が高校の先輩。そう思うと何故か誇らしい気持ちになったことを覚えています。それから随分と時間が経ち真部一男のこともすっかり忘れていました。
会社の一期先輩(歳は同い年です)が、将棋が好きで将棋の話題がたまに出るのがきっかけとなって思い出したのかもしれません。その後、図書館やネットでしらべると、
・55歳の若さで亡くなられたこと。
・将棋だけでなく囲碁も好きで腕前もかなりのものだったということ。
・ウィスキーが好きだったこと。特にシーバスリーガル。
いろいろなことが分かって、人間:真部一男がおぼろげながら見えてきた気がします。
なお、アベマTVで当時羽生四段との対局(NHK杯)が観れます。紬の着物の着こなしがとても決まっていてカッコいいです。羽生四段、初出場の時は3回戦で真部一男七段に敗れていたのです。解説がなんと加藤一二三九段。しゃべり方が今と少しも変わっていないのがとても面白いです。
紬とウィスキー、今の私の趣味が不思議に結びついているような気がしています。