久しぶりに、オークションで花柄の素敵な節紬の着物を落札しました。
手織り節紬とのことでしたが、機械織のミシン仕立ての紬の着物ののような気がします。染も中の上といった感じです。
包装紙から出し、ハンガーに吊るして全体を確認します。シミや破れ等がないか、着物の匂いなども確認します。
使用感は少なく、状態はとても良いです。細かな花柄の紬です。裏地は化繊で八掛は大島紬のようです。
裏地は、少し汚れていて八掛も全体的にくすんでいます。幅が広い部分の八掛が少し使えるかもしれません。
では、実際に解いていきます。私は、衿の部分から握りバサミをいれて解いていきます。
着物の縫製はプロの職人さんが手で仕上げる場合とミシンで仕上げる場合と2パターンあるようで、この着物はミシン仕上げのようです。
何故わかるかというと何百着も着物を解いた経験から、ミシン仕上げの着物は、縫い圧が重く、ミシン目が細かいため、解くのに時間がかかるのです。また、袷の着物より単衣の着物の方が解くのに時間がかかります。
一時間半くらいで、このような状態になります。手作業の仕立てのものだと一時間くらいで終わります。
裏地と八掛の細い部分は廃棄です。生地の本体と八掛の広い部分の4枚を洗濯機にかけて洗います。
今日は洗濯ネットがないので、オシャレ着洗いを選択しました。35分くらいで洗い終わります。
シワになりづらい生地でしたがすぐに窓の傍で陰干しします。八卦はすぐに乾いてしますので、半乾きの段階でどんどんアイロンをかけていきます。
四枚は、くたびれ感もなくなり、裏地として使えそうです。
八掛は、欲張って全部使おうとすると、解くのに時間もかかり、作業がめんどうになります。思い切って使う可能性のあるものだけを残して、後は潔く捨てることも着物を買って、生地を集める場合の極意だと思います。(欲張って持っていても、結局最後は捨てることになります)
あまり高い生地ではないようで、裏から見ると染にムラがあります。真ん中に波打ってい見えるところがありますが、レンズの歪みで実際のシワではありません。本体の生地も生乾きのうちに手早くアイロンをかけることがポイントです。浅くかけて再度、乾かします。この時、確認しなければならないことは、生地にシミや痛み、穴などがないか。生地が弱くなっていないか等です。気が付いた場所は、チャコなどで印をつけておきます。
完全に乾いたら、再度軽くアイロンをかけてたたみます。
着物本体で8枚、八掛4枚をアイロンかけ終わったところです。最後に、私は、A3くらいの透明の袋(シモジマ等で100枚千円位で売っているもの)に収納します。
ここで、心がけていることですが、
(1)糸くずは全部取ろうとしない。生地を使う時に糸くずがある部分は、裁断して捨ててしまう場合が多く、細かくやっても無駄な作業となる場合があるため。
(2)複数の着物を急いで解く必要がある場合、裏地が色落ちしない場合は、3枚くらいはまとめて洗ってから、洗い終わった着物をハンガーにかけ、乾いたものから順次解く方が効率が良い。
この場合は、多少日に当てても、着物の匂いを取るため長く外に干しておく方が最終的に仕上がった生地の匂いが取れて良いと思われる。ほどき終わってから、アイロンをかける。
(3)古い着物を解く場合は、裏地が色落ちする場合が多いので、ベランダなどでほどいてから、着物 本体の生地と裏地は分けて洗うことを心がける。
古い木綿裏地は洗って色落ちしても、風合いが良いものは裏地として使えるが、そうでないものは潔く捨てる。
(4)洗い終わっても匂いが取れない場合は、多少生地が傷む可能性はありますが、小一時間程度、日光にさらすと大抵の場合が匂いが取れる場合が多い。風通しの良いところだとさらに効果的。
(5)買った時のデータ(値段、生地の解説)などは、パソコンで印刷して一緒に保管するようにする。パソコンにもデータとして残すことも忘れない。
他にもいろいろ試行錯誤していますが、すべて自己責任で失敗を重ねながら、楽しんでいます。少しずつ、生地が増えて、いろいろな物を自分の好きな生地で作るのはとても楽しいものです。これからも気楽な趣味として楽しんで行けたらと思っています。
早速、衿の部分の細いところを縫い合わせ、サンプルとして小物入れ(巾着)を作ってみました。