- 【はじめに】
- 【中身が蒸発しているボトルは買わない】
- 【蒸発ボトルの状態】
- 【蒸発ボトルが美味しくない理由】
- 【蒸発ボトルの成れの果て】
- 【大切な事】
- 【陶器ボトルの見極め方】
- 【陶器ボトル特有のリスク】
- 【何グラム残っていれば“買い”か】
- 【実践編】
【はじめに】
今日は、ウイスキーやブランデーのオークションで落札のポイントについて述べたいと思います。
かなりの多くの陶器ボトルを落札してきたので、多少なりとも皆様のお役に立てるのではないかと思っています。


【中身が蒸発しているボトルは買わない】
まず、陶器ボトルで注意しなければいけないことは、中味が蒸発しているボトルは避けるということです。それはなぜか・・・
蒸発しているウイスキーやブランデーは美味しくないからです。

【蒸発ボトルの状態】
蒸発ボトルの状態としては、次のようなことが考えられます。
・アルコール度数が下がり、風味の骨格が崩れる
・味がぼやける
・甘さ・コクが弱く感じる
・揮発性の高い香りの成分が先に飛ぶ
・フルーティーさが消え、樽香も弱くなる
・スモーキーさが薄まる
【蒸発ボトルが美味しくない理由】
ウイスキーの香りは、アルコールが“香りの運び手”になって立ち上がります。ところが蒸発でアルコールが抜けると、香りが立たない(無臭に近い)状態になります。
また、ウイスキーの魅力は、エステル類・アルデヒド類・フェノール類などの複雑な香りの成分です。
これらはアルコールよりも先に、あるいは同時に蒸発してしまうのです。
結果として、香りの構成要素がごっそり失われるため、平坦で“古びた”印象になる。要はまずくなるということです。
【蒸発ボトルの成れの果て】
・酸化が進み、次のような雑味が増える
・えぐみ、金属っぽさ、ヒネた香りなどの“劣化臭”が出現
・コルク劣化が絡むと、酸化はさらに加速
・水分が多く残ることになり、味が薄くなる
アルコールや香気成分が抜けた後に残るのは、ほぼ水と雑味のある成分だけ。
そのため、味が薄い、甘さがない、余韻が短いとなり、「ウイスキー風の水」、「私の知っている味ではない」のような状態になります。
数百円で買える安ウイスキーのような味わいになるということです。
もっとひどい場合は、固まって飲めないなんてこともありました。

【大切な事】
過度の蒸発は「香りの崩壊」と「酸化」のダブルパンチ。蒸発が多いウイスキーは買わない方が良いということです。
ウイスキーは香りの飲み物なので、香りが抜けると価値の大半が失われます。蒸発したボトルが美味しくないのは、単なるアルコール不足ではなく、香りの構造そのものが壊れてしまうためです。
ヤフオク等のオークションで陶器ボトルを検討するなら、蒸発は避けられないリスクなので、ボトルの見極め方をきちんと押さえることが大切だと思います。
【陶器ボトルの見極め方】
「総重量」「フィルレベル」「コルクの状態」「ボトルを振った時の音」などをチェックすることが大事になります。
具体的にまとめますと・・・
1. フィルレベル(容量通り入っているか)を見る
- 陶器ボトルは液面が見えないので、代わりに「重さ」で判断します
- 出品者が「重さ〇〇〇g」と書いていれば判断材料になります。
2. ボトルを振ったときの音について
- 満量に近い → あまり大きな音がしない
- 減っている → はっきり音がする
3. キャップ・封蝋・コルクの状態
- キャップが浮いている
- 封蝋にヒビ
- コルクが乾燥して縮んでいる(取れている)
- キャップ周りにシミがある
蒸発はほぼ密閉不良が原因です。以上の兆候がみられる場合は、かなりリスクがあります。これらは蒸発のサインと見ていいかと思います。
4. 外箱やボトル周りのシミ
- 箱の底にシミ
- 収納ケースまわりに茶色い跡
- キャップ周りのプラスチックの覆いに染み
このような状態が見られる場合、過去に漏れた可能性が高いといえます。漏れたボトルはほぼ確実に蒸発も進んでいます。
5. ラベルの外見・出品者の保管環境の記述
- 高温、直射日光では液面低下以外にラベルが黒く変色している場合が多い
- 押し入れに長期放置していた場合は、押し入れの古びた匂いが、傷んだコルク栓を通してウイスキーに移る場合もあります
- 倉庫に長期保管していた場合、温度管理がされていない場合があり、コルクが乾燥して収縮したり、蒸発がかなり進んでいるケースも散見される
こうした外見や出品者の記述文言もしっかり押さえておくと良いかと思います。「倉庫長期保管品です」「押し入れの中から出てきました」「解体家屋からの・・・」
【陶器ボトル特有のリスク】
-
内側が完全にコーティングされていない場合がある
-
キャップ・栓構造が弱いものが多い
-
1980年代の陶器ボトルでは、それ故コルクが長期経過して劣化しているものが非常に多い
【何グラム残っていれば“買い”か】
- 1300g以上→買い
- 1250g以上 → 買いの範囲
- 1200〜1240g → 50g前後くらい蒸発 まあ買い
- 1100~1200g → 100g前後蒸発 注意
- 1000~1100g → 200g前後蒸発 危険
- 1000g以下 → 半分近く蒸発 どぶ銭
陶器ボトルは、大抵750㎖のものが多いですが、ロイヤルサルート21年のように、古いボトルでも、700㎖のボトルがあります。
それでも、陶器ボトル本体は概ね約500〜600gの重さがほとんどですから、満量で 1250〜1350g が相場になります。※
- ロイヤルサルート21年
- ブラックプリンス17年、20年
- キングボブスコッツ17年、25年
- グランツ21年
- チェッカーズ
- ベンネビス
- ウシュクベ
などなど、大抵の陶器ボトルは、以上の範囲の水準で判断していただいてよろしかと思います。
※オールドパーの1970年代~白と茶色のボトルなど、1.6キロ~1.8キロのボトルが確認されています。基本は、出品者に重さを確認することを徹底願います。
【実践編】
ちなみに、本日届いたブラックプリンス20年のボトルを一緒に見ていきましょう~
最初に秤で測ってみますと、1322gになります。


ブラックプリンス20年は700㎖になりますから、ボトルの重さを600gとすると1350gあればほぼ700㎖入っていることになります。

実際計量してみると710㎖入っていました。700㎖の容量表記が間違っていれば(本来750㎖だった)とすれば、40㎖くらいは蒸発していたと考えられます。
まあ、少しサービスで多く入っていたと考えてみても良いかもですね。

オークションで陶器ボトルは、1300g(1.3キロ)以上のものを買っていれば、少なくても大きな蒸発のリスクはないと思います。

少しだけお味見をしてみましたが、とっても美味しかったです。きちんとした重さのボトルを買って良かったと思います。

少しは参考になれば幸いです。それでは本日はこれで失礼いたします。ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

