着物生地(25)西陣お召総絣

今日は、私がよく巾着を作る生地で、西陣のお召し総絣です。ぱっと見、大島紬の5マルキの総絣と似ているのですが、絣の模様自体がお召の方がくっきりしている気がします。

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金色っぽい、茶系色で小物を作ると少し豪華な雰囲気がかもしだされます。着物をほどいて洗濯してアイロンをかけましたが、シワが残ってしまったり、糸グズが全部取り切れていない部分も結構あります。材料としては問題ありませんが、加工するときに再度アイロンをかけたり、糸グズをとるのは多少面倒な面もあります。

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それでも、出来がった物を見ると、満足感は結構あります。これは、囲碁の碁石を入れる袋として作ったものです。

碁石は、碁笥に入れっぱなしにしておくと、黒石は問題ないのですが、白石の方は、木の風合いが石に移りこみ少し黄色ぽくなってしまう場合があります。        

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白石は、蛤の貝殻から出来ており、綺麗に保存するためには結構気を使います。現在は、国内の蛤からは肉の厚い貝殻がとれなくなっており、メキシコ産の蛤で製造されています。それでも、年々値段は上がってきており、手に入りずらくなっているようです。そのような大切な碁石を衝撃や碁笥の木の成分から守るために、袋で別に保管するようにしているのです。

器である碁笥にも、碁石をいれっぱなしにしておくと、傷がつく原因になりますので、対戦等で使用しない限りは、碁石と碁笥は別々にそれぞれ専用の袋に入れて保管しておくことをおススメいたします。(囲碁をしない人にはピンと来ないかもしれません。最近はネット碁が中心であまり、碁盤・碁石は従来ほど使われなくなった気がします)。
 
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