最近屋台の焼き鳥屋さんをあまり見なくなった思います。
スーパーの横に車で横づけしている焼鳥屋さんは、よく見かけるのですが。
ラーメン屋さんのような屋台の焼鳥屋さんを見ていない気がします。
子供の頃、学習塾が終わると、村山貯水池の方までつながっている水道道路の入り口で、屋台の焼鳥屋さんをよく見かけたものです。
私が中学生の頃ですから、今から50年近く昔の話です。半世紀も前のことでありなら、その屋台の焼き鳥のたれの旨さ。
うちわを使いながら、焼き鳥を一生懸命焼いていたおっちゃんのことだけは、妙に記憶に残っています。
一部焼鳥以外に、豚のモツもあったかもしれません。ゴムのような弾力のある歯ごたえと独特の風味が忘れられません。
時代でいえば、昭和50年代。特に昭和50年は、本塁打王が田淵幸一(阪神タイガース)、打点王は王貞治(巨人)。
王選手の活躍に毎晩テレビやラジオに釘付けになったものです。
相撲は横綱に北の湖がいて、憎たらしいほど強かった印象があります。
当時の内閣は三木武夫首相。(自民党)。実直な方だったと記憶しています。
流行の歌に、子門真人「およげ!たいやきくん」などがありました。なんでたい焼きが海に行くのか、理解できませんでしたが、子供の歌だからと割り切って聞いていた気がします。
それよりも、布施明「シクラメンのかほり」、バンバン「いちご白書をもう一度」、キャンディーズ「年下の男の子」、風「22才の別れ」、岩崎宏美」「ロマンス」などが歌謡曲として心に残っています。
懐かしい昭和という感じです。この年代の記憶が、おそらく私のDNAに深く焼き付いていて、その後成人して以降もカラオケなどで、それらの曲は良く歌ったのだと思います。
さて焼鳥屋さんに話を戻します。
屋台からに匂って来る焼き鳥の独特の匂い。最高に空腹の身には我慢できない誘惑となって襲ってきます。
お小遣いも少なかったので、1本~2本くらいしか買えなかったのですが、食べ終わると、かえって物足りずに妙に空腹が意識されたものです。
最近、歳のせいか、やけに昔の一場面をふと思い出すことがあります。焼き鳥の匂いが引き金になる場合もあるのです。
学習塾での友達との会話や焼き鳥を食べながら想像した、その夜の深夜のラジオ番組の事などなど。
それ故か、家の近所に焼鳥屋さんができると、自然に良く行くようになりました。
赤ちょうちん、風情がありますよね。お手頃な値段で、昔好きだった焼きトン、焼き鳥が売られています。
注文すると少しあたためてくれて、家に持って帰ってすぐ食べられるようにしてくれます。
流行歌の歌詞ではありませんが、焼き鳥を食べると「過ぎ去った昔が鮮やかによみがえる」のですね。
最近の事は思い出されないのに、味やにおいが引き金になって、過ぎ去った昭和の一コマを思い出すのだと思います。
自宅を買って住んで二十数年。今度は自宅に買って帰った焼鳥を家族で食べたことが、自分がこの世から消えてく際に思い出されるのかもしれません。
できれば、家族全員が笑って美味しく焼鳥を食べていることが思い出されると嬉しいですね。
そうなるように、仕事もプライベートも、家族関係も含めて自分が出来ることはできるかぎり、無理にならない範囲で、頑張って、過ごしていけたらいいな思います。
なかなかできないのですが、美味しいウイスキーを、息子と2人で焼き鳥を肴に飲み明かせたら最高ですね。
今日はここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。