ウリボウ物語④ 兄貴、恐怖の体験を語る 兄貴シリーズ堂々の完結

ウリボウ物語④にお越しいただきましてありがとうございます。このお話をお読みになる前にティッシュのご用意をお願いいたします。(笑)

 

まず、兄貴の恐怖の体験を再現します。

いのしし村店員A『また、この笑っているやつ売れ残っているよ』

いのしし村店員B『もう、処分していいんじゃね』

兄貴『えーっ。まだ俺は売れるよー』『処分なんてあんまりだー』

気がつくと兄貴はいのしし村の廃棄物袋(いのしし村村指定ゴミ袋)に入れられ、焼却場へと運ばれていきました。

兄貴『狭いよー』『暗いよー』『助けてう、うりうりー』

袋は破かれて、ふるいにかけられたあと、ベルトコンベアに撒かれます。中身が焼却炉につながる粉砕機へと流れていきます。

迫りくる粉砕機、流れていく処分ゴミの数々。

兄貴『助けてうりうり~』『まだ死にたくないよ~』

前を見ると金属の時計が先に粉砕機に吸い込まれていきます。

すると粉砕機の歯が時計を跳ね返して、兄貴の所に向かってきます。

兄貴『ひえーっつ』恐怖で顔が引きつっています。

兄貴『うりー』『いたいよ!!』

兄貴は弾き飛ばされて、ベルトコンベアの外に飛んでいきました。

兄貴『あれーっ』『誰かた、たっ助けてうりーっ』

 

それから先のことは、私、兄貴の弟分のメソがお話いたします。

飛ばされた兄貴は、清掃に来ているおばさんの荷物入れ(マイバック)に着地しました。おばさんは焼却所の掃除に定期的にパートに来ている人です。

掃除道具の横のマイバックにはコンビニで買ったお弁当や飲み物が入っていました。

兄貴はおばさんのマイバックにハマって、お昼におばさんに発見されます。

おばさん『ヒネた顔の猪のおもちゃが入っているわ』『コンビニのお弁当の景品かしら』おばさんは不思議に思っいましたが、とりあえず家に持って帰ることにしました。

兄貴『なんとか命拾いしたうりっ』『顔もひきつったままだし、声も低くなっている』

メソ・・・そうなんです。兄貴のあの顔はこの恐怖の体験が原因で、すこしヒネた顔になってしまったのです。

声も僕たちとは少し違い低い声になってしまいました。それだけひどい恐怖の体験だっだようです。

でも、兄貴の辛い経験はまだ序の口だったのです。このおばさん、とんでもない食わせ者だったのです。

新興宗教に凝っていて、寄付活動などにも熱心なのですが、とにかく自分が神様の使いと勘違いしていて、突進しているのです。

自分の意にそわない人には毎日ガンを飛ばし、兄貴を手下にして意地悪ばかりをさせていたのです。それが嫌で兄貴は逃げ出したのですが・・・(どこかのたい焼きみたい)

 

兄貴は、そのおばさんの命令で、一番いやなことは寄付集めでした。化粧をさせられ、名前も『トッピー』と付けられて、教団の寄付集め行為の片棒を担がされていたのです。(名前の意味は寄付集めでトップになれるように。どこかの知事のペットの名前みたいですが、気にしないでください)

 

兄貴は思いました。「新興宗教にのめり込んでいる、このおばさんは、ほんとうに困っている人を救うものではない。

集めたお金はほんとに困っている人に使われているかもしれませんでした。でも、そもそもその行為は、おばんさんの自己満足のためのもので、この人の一連の行為は、そのおばさんも他人も最終的に幸せにするものではない。

要は他人への施しを行うことに貢献している。また、その寄付集めのトップになったという達成感、自分のこころの満足感を満たすだけのものだと。

きっと自分がしらないで周囲の人間を巻き込み、不愉快にしていることに気が付いていない」

 

兄貴は続けます。「でもそのおばさんを悪く言ってはいけないよ。やっていること自体は、立派なことだし誰にでもできることではない。

きっと他人とのかかわり方が下手なだけなのだから。またそれをきっかけに宗教を勧誘したり、寄付行為強要と思われるようなことをしなければいいんだ。

 

一番の原因(悪いこと)は自分の使命や考え、思い込みを盲信し、他人にも求めてしまうことなんだ」

兄貴は、さらに僕たちに語りました。

「人とのつながりで、一番大切なことは、宣伝文句や立派な神様の像や唱える経典の文言ではないよ。勿論政治的なプロパガンダなど論外だ」

大切なことは目には見えないんだ。一緒にいて、その人が傍にいるだけで、嬉しくなって言葉にならない。そんな気持ちが、黙っていても、目には見えなくても、伝わってくる感じが、自然に感じられることが一番の幸せなんだ」

 

「そしてそれが一番大切なんだ」と。重ねて言いました。

 

2匹とも:『兄貴~、うりうり~』

今日は、3匹そろった記念に、この家のだんなさんが僕たちを食事に連れて行ってくれることになりました。

さあ3尾そろって行進です。

兄貴は道すがら語りました。「お前たちを探して、いのしし村に何年もかけて戻ったら、いのしし村はあとかたもなく無くなっていたよ」

その話を聞いて、僕たちはとても悲しくなりました。でも兄貴は続けて言ってくれました。

「この世の中に、常に変わらず存在し続けるものなんて、実はないんだ」と。

だから、

「生きているものも、建物なども含めて、常に形の本質は時間の経過とともに変わっていく。そしてその変化を前向きにとらえて、自分ができる形で付き合っていけばいいんだ」とも。

 

「無理をせず、悲しければひそやかに枕を濡らし、面白くなければ心の中で静かに怒り、嬉しければ全身で喜ぶ。それが自然に出来ればそれがすべて。他人には迷惑をかけないで、生きることを楽しむようにすればいい」と。

 

ぼくたちは兄貴の言葉がまだよくわかりません。いのしし村がなくなってからも、もう何年も経ちます。

兄貴の少しヒネた顔は、もとには戻らなくなってしまいしたが、たまに見せてくれる屈託のない笑顔が兄貴の本来の顔なんだと思います。

外に出ると夕日がとても綺麗でした。この世界は、かくも美しいのに、人間の世界は争いが絶えず、憎しみや怨嗟の連鎖は止まらなくなっているようです。

兄貴はいいます。「ここまで来てしまったら、よほどのことがない限り、人の心の怨嗟の連鎖は止まらない。

文明が便利になって、記録が残れば残るほど、怨嗟の念は消えずに存在し、また新たな争いの芽が生まれる。

自然は破壊され、地球は怒って気温を上げて生物を苦しめ、伝染病も流行ったりしている」と。

 

兄貴は、時には国立図書館にこもり、新聞社のデスクの机に飾られ、官邸にも隠れ住んだことがあるそうです。

そして、いろいろな世界を見てきたそうです。だから多くの経験がそのようなことを言わせているのかもしれません。

2匹共『生きるって難しいうり~』『どう生きるのが良いうりか?』その問いに兄貴は少し笑った気がします。

兄貴:『そう堅苦しく考えず、自分が今そこにいて出来ることを、そんなに無理せず、誠実にすること。』

『できれば自分の存在感を少しだけ認められるくらいだと、丁度いいと思うぜ』

『これからは俺も旦那さんのお仕事をお前たちと一緒に手伝おうと思う』

 

これから兄貴はここで僕たちと、楽しく暮らしたいとのことです。結構官邸ではいいウイスキーにも出会ってきたとのこと。政治家の飲むウイスキーはすごいらしいです。

また、女性の政治家は家に沢山の着物がある人もいて、兄貴は着物生地にも詳しいようです。

このブログを書いている旦那さんの良きアドバイザーになってくれることと思います。

 

まあ、何はともあれ、これからは3匹はずっと一緒です。最後に3匹そろって、もう一度喜びの言葉で、この物語をしめたいと思います。

ご愛読ありがとうございました。

三匹そろって『うりうりうり~』

※注意:この物語はフィクションで登場する人物、ウリボウの擬人化等々は作者の妄想であり、現実の団体や人物、思想や宗教団体とは一切関係ございません。くれぐれも誤解なきようよろしくお願いいたします。

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