着物生地(22)鳥獣戯画 -小紋-

今日は鳥獣戯画の小紋です。この生地は小紋の着物をほどいたものですが、小紋の着物生地の割には結構しっかりしていて、いろいろなものを作ってきました。

鳥獣戯画の生地はとても人気があり、いろいろな種類のものが出ていますが、微妙にデフォルメされていたり、一部のみがクローズアップされたものだったりと、気に入ったものを探すのに随分苦労しました。

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鳥獣戯画は、京都市の高山寺に伝わる文化財でカエルやウサギやサルなどが擬人化されて面白おかしく描かれています。漫画の起源ともいわれていて、各地で展示されるとすごい人気で、上野で展示されたときは、見るのに一時間以上も並んだほどです。

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この生地は、上下の区別がなく、ウサギとカエルが相撲をとっているところを図案しているようです。とてもコミカルで見ていて飽きません。市販されているアクリルの生地で良いものがありますが、結構厚手で作れるものも私の腕では限られてしまいます。
 

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拡大すると、こんな感じです。生地が厚いので碁笥(碁石を入れる木の入れ物)を入れる碁笥袋(底付)などを作るのには適していますが、小物入れなどは、生地がかさばる分不向きだと言えます。


最初の小紋の生地と較べていただくと風合いがかなり違っていることに気づかれると思います。それぞれ良いところはあると思いますが、せっかく手に入れた小紋の生地、これからも大事に使っていきたいと思います。

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